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炎天の関東遠征 その一

  • 遠林健一郎
  • 2017年8月30日
  • 読了時間: 6分

7月頭は、千葉県成田市の成田祇園祭にかこつけて、友人のいる東京へ遠征をした。

東京都隣県には、夜行バスで東京入りして、電車で移動するのが一番動きやすい。

成田山新勝寺も名前ぐらいは聞いたことがあるし、街並みに風情がありそうだったので、千葉を選んだ。

今回は都内に住む友人Kとの行動。

「いつか祭り遠征に同行してみたい」という、申し出があったので、成田遠征を計画した際、どうせ東京にも寄るので、今回は?、と話を振り実現した。

夜行バスを朝の鍛冶橋駐車場で降り、待ち合わせの東京駅丸の内口側に向かう。

途中、ガードを越えたところで、以前も使ったサンドイッチ屋に入り、軽い朝食。

朝食を短く済ませると、駅へ。

丸の内口改札待ち合わせと思っていたけど、友人Kはどうやら丸の内線の改札口で待っていたらしい。

ともかく、丸の内線の改札口付近で、しばらくぶりの再会をし、目的の成田祇園祭に向かうための、総武線を目指した。

総武線のホーム。

そして、この遠征での記念すべき写真第1号。

待つのは、成田空港まで直通運転の、快速エアポート成田。

総武線は終点が様々で、成田線直通乗り入れのエアポート成田は、1時間に1~2本程度。

車両の行先表示をよく見て、乗り間違えに気を付けなければならない。

都内生活で、電車移動に慣れているはずの友人でさえも、間違いそうになっていた。

電車内での友人Kは、車窓からの景色が新鮮だったらしい。

「23区内で事が足りちゃうから、郊外に行くことなんて、まずないんだよね~」と、しみじみ言っていた。

1時間15分前後揺られただろうか。

電車は成田駅に到着した。

駅のロータリーに出た時点で既に熱い・・・。

東京に着いた頃は、朝だからまだ良かったけど、この頃にはもう、炎天が牙をむいている。

既に大勢の人が出歩いていて、ロータリーの一角には山車も見える。

新勝寺を目指して、花崎町の商店街を2人で歩く。

沿道には露店が並び、人が行き交い、もうお祭りムード満載。

時刻は10時45分頃。

行事が始まってしまうと、昼飯のタイミングを逃しかねないので、もう飯にすることにした。

友人もいるし、こういう時は迷ってる場合ではないので、目に入った中華料理屋さんに入店。

場所は上町。

ナカナカお目にかかる事のない、刀削麺がメニューにあり、しかも味のバリエーションも豊富。

かなり気にはなったんだけど、麺だけで長丁場を持たせられるか不安があったし、胃がもたれたり、やたらと下り龍になるのはごめんだったので、黒酢を使った酢豚の定食に。

酢だと体に良さそうだし。

山車組関係者の談笑も聴きながら、早い昼飯を食い終わると、クーラーの効いた店内から一気にサウナ風呂のような外へ。

沿道の風景を撮り忘れるほど、足早になってしまう。

「総引き」が行われる、仲町の下り坂は、川越とかこんななんだろうな、と思わせる、古めかしい風情をたたえた商店街。

しかし、暑さが新勝寺へと足早にさせ、じっくり感じる余裕はない。

正門に到着した。

門からしてかなり立派。

またも門。

デカい提灯を下げていると、なぜか浅草寺を思い出してしまう。

カメラを構える私に、足早の友人Kが振り返る。

本堂が出現した。

デ、デカすぎる・・・。

田舎町で、氏神さんの神社や地元の寺しか見慣れていなかった私は、こういう祭遠征で各地の寺社に巡り合う機会が多くなった。

各地の山車祭も、今でこそ土日に合わせたり、市町村の名前を冠して「〇〇まつり」と観光化してきているけど、元をただせば、その神社の例大祭だったりするのだ。

つまり、祭があれば自ずとその元となる寺社仏閣が付いてくる。

御朱印集めなどを趣味にする人がいるそうだけど、こんな形で全国寺社仏閣巡りにもなるとは(笑)

五重の塔ならぬ、三重の塔もある。

近づいてみると、その鮮やかな彫刻に圧倒される。

栃木遠征で日光まで行き、東照宮隣りの神社のお祭りまで行きながら、東照宮の陽明門は見ずに帰って来たほどの祭りバカではあったけど、このように鮮やかな彫刻の寺社仏閣は、仙台遠征時に国宝「瑞宝殿」を見ている。

それが思い出された。

この三重の塔が作られた時代には、色も一つの「権力」の象徴だったに違いない。

中尊寺の金色堂とかそうじゃないか。

これだけの色が使えるということは、富そのものだろう。

と1人想像にふけっていたけど、友人Kはそれよりも暑くてたまらないらしい。

確かに、この暑さは殺人的だ。

本堂の中は涼しかったけれど、ずっとここにいて何になるものでもない。

結局、Cafeなどで避暑しよう、ということになって、来た道を2人で戻る。

オオオッ!!

1人興奮している私。

しかし、今は興奮を極力抑えなければ(笑)

仲町の坂を逆に登って行く。

正直私も、駅周辺まで戻るのは確定だな、と思っていたのだけれど、途中、風情ある団子屋さんが目についた。

団子屋さんと言っても、ガラスケースに団子を並べて売っているとかそういう風ではなくて、要は甘味処的佇まいだった。

中は大勢の人で賑わってはいたけど、運よく窓際の一席が空いているのが目に入った。

友人Kを呼びとめ、滑り込む。

クーラーのよく効いた店内。

殺人的な暑さに追いやられた客で、殺人的な接客?に追い回されているのか、年季の入った従業員のおばちゃんの激が、若い給仕の兄ちゃんにとぶ。

注文とかけっこう間違えてるようだ。

団扇に書かれている"センス(扇子)"あるメニュー表を眺めながら、私がレモン味のかき氷、友人Kは瓶コーラを頼んだ。

フツー手を付ける前に撮るやろ(笑)

すんません、どうにも説明的な写真を撮るのが苦手で・・・。

ただ、こういう甘味処って、まず入ることもないので新鮮だった。

他愛もない会話を少し交わしたりしながら、しばしの冷感を楽しんだ。

友人Kはほとんどスマホをいじっていた。

夕飯をお得に食べ放題出来る店などを探していた。

この時代に、ガラケー使用のアナログ人間な私であるから、はた目には何とも不思議なツーショットなことだろう。

さて話は変わるけど、ここまでの道程で、友人Kの発している空気というものは感じていた。

ムリもない。

友人Kは成田のこの祭り、もっというと祭り自体に興味がないのだろう。

「私の祭り遠征に同行してみたい」というのは、言い換えれば「私がどのような眼差しを向けているかを見てみたい」ということだったのだろうし、もっと言えば、東京出発前からそうなる可能性は否定できないのを、少なからず予想はしていた。

このまま気兼ねし続けたまま、思うような動きも出来ずに終わるのは、それなりの路銀をはたいてやってきた意味がない。

そんなわけで、友人Kに切り出すと、友人Kは快く応じてくれた。

もしかしたら、向こうも待っていたのかもしれない。

人の興味・趣味は様々で、共有できなくとも仕方のないこと。

ただ、それに向ける眼差しや姿勢さえ共通していれば、分野は違えど意識は共有できるし、互いに影響し合えるものだ。

だから、Kもここまで来てくれたのだろう。

むしろ、ここまで来てくれたことに感謝したいくらいだ。

そして、2人はここで別れた。

夜には都内入りして、Kのホームタウンにも行く予定だったので、問題はない。

甘味処を出ると、また地獄のような暑さが出迎えた。

地獄のような暑さが・・・。

続く

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