南部の男、伊達藩のお祭りに行く その二 三部
- 遠林健一郎
- 2017年8月9日
- 読了時間: 5分
さて、勾当台公園にやってきた。
黄色テントの露店から、白テントの屋台までより取り見取り。
露店メニューは粉モンのオンパレードと相場が決まっているし、大分食傷気味であるので、ここのところの祭り遠征ではすっかり避けている。
それでも、勾当台公園に足を運んだのは、東北各地のご当地メニュー屋台が目白押しだったから。
それと、自分にとって使い慣れた、入りやすい町の店は、ほとんどが壱弐参横丁方面だったので、サンモールのアーケード街を反対端まで歩かねばならない。
まして、歩いた揚句、やってなかったら、間に合わなかったら最悪だ。
また歩いてここまで戻ってくるのもしんどい・・・。
とりあえず、白テントエリアを物色。
田沢湖ビールに始まり、山形米沢牛使用の煮込みやコロッケ、岩手からは一関の「世嬉の一酒造」も出店していた。
車移動の多い私にとって、自身で運転しないでの遠征時は、何不自由なく酒を飲める貴重なタイミング。
なので、田沢湖ビールを飲んでみることに。
そして、アルコールときたら、相方は煮込みしかないだろう。
米沢牛煮込みもゲット。
あっという間に両手はふさがった。
飲食用テーブルはみな埋まっている。
仕方がないので、近くの縁石に腰掛けてあり付くことにした。
こういう時の私は、どう過ごしたらいいものか、非常に迷ってしまう。
よくいるアマチュアカメラマンというのは、思う存分自分思いの写真が撮りたいから、基本単独かごく少数で参戦する。
そして、いい写真を撮るのが何にもまして第一義になっているから、いい写真を撮るためのことだけにのみ、ほとんどの神経が割かれる。
皆が皆そうではないのだろうけれど、少なくとも私の見てきた限り、立派なカメラを携えたアマチュアさんで、露天メニューをつつきながらその時を待ち構えている、という方はほとんど見たことがない。
それだけの情熱をカメラに注いでいるということの表れでもあるし、それはそれで否定はしないんだけど、「祭り(全体を)楽しむ」という観点からすれば、半分以上を存しているような気がしてならないのだ。
私もアマチュアカメラマンの端くれだと思っているので、出来る限りいい写真は狙いたい。
けど、それ以上に「祭り」という空間を全身で楽しみたいし、感じたい。
そんな思いが強い。
残念ながら、そういう人間って希少種のように感じるので、過ごし方の参考になる例が見当たらず、苦慮する。
撮影時のポジショニングや穴場なんかは、カメラを下げた先輩さんたちを見つけて、その傍に位置していれば学べるんだけど・・・。
とにかく、腹も減っていたので、煮込みがしみる。
クソ暑い中で煮込みというのも傑作だけど、やっぱビールと合わせるとうまいうまい。
けど、やっぱ食べ終わると暑くてたまらない。
たまらず、地下駐輪場に避暑する。
入口が1つしかない駐輪場で、管理室にオジサンがいたので、入ってしまった時には別の意味でも冷っとした(笑)

駐輪場から這い出て、炎天下に我が身をさらすと、勾当台公園の横をパレードを終えた山鉾たちが抜けてゆく。
どうやら、みな同じ場所にはけるらしい。
定禅寺通りのパレードでカメラを構えていた時は、ほぼ身動きが取れなかったので、アングルもワンパターン。
思うように山鉾を撮れなかったこともあり、追いかけて休憩中のところを激写した。



「おつかれさまでした~」
談笑の時。
少しここで様子を見守った後、片付け仕度が始まったので、最後の確認として定禅寺通りへ再び。

多くのすずめ踊り団体が、鮨詰め気味に通りに入っているらしく、宵祭りや商店街での演舞に比べて動きが少ない。
狭いから、振り付けを大きく取れないのだろう。
沿道には当然大勢の観客。
身動きなど取れるわけもない。
私はもう十分に満足していたので、お祭りはこれで終わりにして、帰りの高速バスまでは散策したりすることにした。
天気が良かったので、AER展望室からの日没を撮ったり、花京院という地区に行ってみることもしたかったのだ。
ちなみに、花京院は仙台駅を出て、駅前通りの坂道を登って行った先、つまり駅からは北側になる。
まずは花京院地区を目指して歩いた。

花京院が気になっていたのは、高層ビルが多く、さも都会的な雰囲気がしていたから。
そして行ってみたことがなかったから。
「駅の西口と東口ばっかりで、北側って行ったことないな」
そんな思いが疲れた体を歩かせた。

ビルの上に社的構造物とは、摩訶不思議アドベンチャーだ(笑)
壁面に当たるシルエットも、個性的なアートのよう。
この辺では、西日を受けるビルのシルエットなど何枚か撮ったのだけど、後で見返してみると、レンズ掃除をしてなかったための、埃のシルエットが無数に写り込んでいて、失敗フォトに終わった。
もっとも、埃の影が映り込んだものと気付くのには、少々時間を要したけど(笑)

AER展望台室に入る頃には、日没も終わっていたため、残陽を受ける町のショット。
もう少しじっくり撮っていたかったけど、カップルが多過ぎたため、気まずくなりすぐに下界へ。

ペデストリアン・デッキから。
「さらば仙台よ。、また会おう」
東口へ移動。
バスの時間まではまだ少々ある。
ヨドバシカメラの旧位置から脇道に入ったところに、古びたラーメン屋があったな、と思いだし、足を運んでみるもやっていなかった。
付近を少し歩き回って、かつての記憶も頼りにそれらしいところをまわって見るけど、入りやすくて、すぐ出れそうな定食屋や中華そば系の店は見つからず。
仕方なく、コンビニでブリトーを買い、バスの列で食いながら待つ。
バスが来た。
仙台の熱き春を後にして、私はバスに揺られるのだった。
完
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