沿岸と奥州の春祭り その三
- 遠林健一郎
- 2017年7月13日
- 読了時間: 4分
さて、いよいよ甚句踊りパレードがスタートする。

ミス江刺甚句(白着物)を先頭に、ポスターを飾った人が続く。

続いて江刺病院の面々。

パレードカー化した南栄会。

元気いっぱい岩屋堂高生。
保護かけてるので分からいだろうけど、飛び跳ねる男子の後ろで、やたら冷めた女の子が印象的だった。
「恥ずかしい」とかでなく、「何でこんなこと・・・」的な表情・・・。
これくらいの歳頃までの私も、人前で何かをやるのは非常に恥ずかしくて嫌だった。
けど、祭に関しては基本年1回しかない。
そう思うようになった。
となれば、楽しまないのは損だよね。

出た出た。
鉄火肌?の男石会。
やっぱ、祭ではこういう恰好が様になるな。

よさこいソーランのチームかな。
甚句をオリジナルにアレンジして踊る。
衣装も化粧もバッチリだ。

かなり重たそうな旗。
こういうのを見ると、しもさか保の「ガクラン八年組」とか宮下あきらの「魁!! 男塾」を連想してしまう。

六日町商店街を左折すると、すっかりと夕暮れの頃。

宇宙からの使者も。
黒い方、 踊り過ぎて息切れしとります(笑)
コーホー。
コーホー。
踊りの師匠はマスター・ヨーダかと思ったけど、いなかった(笑)
「甚句とともにあらんことを」

今年の主役の1つ、25歳年祝連「凰燁伝」の屋台がやっと登場。
提灯が点滅するので、満艦飾のアートトラックみたいな趣もある。
"生"に伝統的に拘っているのか、音の厚みが少し弱い。

続いて、2つ目の主役にして今年卒業の、42歳年祝連「珠蓮会」の面々。

「珠蓮会」の屋台。
職場の元同僚?元上司?が乗っていた。
相変わらず、華のあるお方で。
「珠蓮会」の屋台は、エレキベースが入っているのか、電気増幅された、大きな重低音が存在感抜群。
すっかりと江刺の町は夜に。

大通り公園まで辿り着いた、年祝連の面々。

年祝連2台の屋台が並んで、本ばか踊りスタート。
本ばかは、いわゆる輪踊りで、一般客も自由に参加オーケー。

こういう時、岩手人って恥ずかしがりが多いから、積極的に飛び込まないんだよな。
え?
私?
いやいや、私はカメラを構えてるから・・・その・・・(笑)

2台並んだ年代連の屋台。
祭の創始から受け継がれ、使用されてきた「凰燁伝」の屋台(右)は、今年で引退なのだそうだ。

そして、最後は伝達式。
来年主役になる年代連に引き継ぎをする。
ばったりあった同僚に、年代連の仕組みを詳しく教えてもらったことがあったので、雑記したい。
24歳年祝連・・・甚句まつりデビュー。会場警備、交通整理が主な役目。来年に備えの資金稼ぎ。
25歳年祝連・・・祭1度目の主役。屋台を動かし、甚句踊りを披露する。
41歳年祝連・・・大通り公園での、大型露店・縁日の運営。それによる、来年のための資金稼ぎ。
42歳年祝連・・・祭2度目の主役。屋台を動かし、甚句踊りを披露する。甚句まつりの卒業。
という感じで、25歳と42歳を軸として、その前歳を絡めて役割分担がキッチリとなされている。
多くの山車祭では、町内単位で山車が運行され、そちらが主役になるのに対して、江刺甚句の主役はあくまでも年祝連。
だから、先の記事で紹介した屋台は、"町内"屋台とわざわざ区別されるのだろう。
奥州市の各区には、年代連や厄年連が主体になった、こうした祭の文化が強い。
それと密接なのが、創作舞踊的"踊り"でもある。
ただ、私のような集団からはみ出て生きている人間には、こういう集団的行動を強いられる環境と言うか、乱暴に言ってしまえば、「体育会系のノリ」は嫌で嫌でしかたない。
俗にいう、「お祭りバカ」は必ずしも嫌いではないけど(本当のバカは大嫌い(笑))、何よりもこっち優先で、仕事も生活も二の次になってしまうような現実が本当にあるとすれば、当事者の江刺区民にはいい迷惑だよな。
逃れようとしたらしたで、「付き合い悪いな」とか、コミュニティからはじかれそうで怖い・・・。
まぁ、本人が好きでやっているのであれば止めはしないけどね。
何か同好会とか、サークル・部活動の延長線上的雰囲気もぬぐえないんだよな。
「今まで一緒にやってきてくれた仲間のみんな、あ・・・ひっぐ・・・う・・・すいません、ありがとうな」
20代の連の代表がこんな感じになるのなら、話はまだわかる。
まだまだ若いし。
けど、卒業年の年代連代表がこんなムードって年もあるようで・・・。
なんかいい歳した40代が、青春ムードっつーのもなー、って。
誤解のないように断っておくけど、江刺甚句まつりのこのシステムを真っ向から批判しているわけではない。
私には縁のない世界だなー、ってのを言いたかっただけなんで。
気分を悪くされた方がいたとしたらすいません。
私の文章力不足で・・・。
この後、年代連による創作舞踊のステージ疲労もあったようだけど、午前からの全日程で少々疲れていた私は、会場を後にした。
駐車場をお借りしたスーパーで買い物。
500mlペットの清涼飲料が、甚句まつり協賛価格で、確か65円。
安っ!!
よし、職場の上司のお土産にしよう(笑)
完
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