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春の栃木県遠征 その二 二部

  • 遠林健一郎
  • 2017年5月9日
  • 読了時間: 5分

さて、Superな車たちを眺めながら、二荒山神社境内で小休止していた私も、散策を再開することにした。

車は停まって展示されてるだけだし・・・。

かのオリオン通りを目指してみた。

まず、大きなアーケード商店街であるオリオン通りの手前に、日野町商店街という通りがある。

細かい石畳状に整備された道の通りには、昔ながらの靴屋やこじゃれた飲み屋などが並び、なかなかの雰囲気は出している。

日野町商店街での見所は、何と言ってもこの屋台横丁だろう。

5~8人も入れればいっぱいの、カウンター席だけのような狭小店舗が並ぶ夜のスポットだ。

東北で言うと、八戸市の屋台村を想起させる雰囲気を持っている。

ここで酒をひっかける事も楽しみの1つにしていたので、夜に期待してその時は後にした。

日野町商店街を抜けると、交差点を挟んですぐにオリオン通りが現れる。

何だか、北上にあった諏訪町のアーケード街が無性に懐かしくなった。

交差点を1つ挟んで、この長いアーケード街はまだ続く。

午前10時を過ぎたばかりで、これから店が開き始める感じだろう。

New York Styleを標榜している、若者向けのファッション店も2軒ほど見受けられた。

あとは居酒屋、食堂、商店、今話題の電子タバコの専門店とか。

南側に開けた、こんなイベントスペースのような広場が出てきた。

後で調べたが、「宇都宮市オリオンスクエア」とか言うらしい。

日曜ということもあり、何やらイベントの準備がされていた。

オリオン通りの横脇からの入口。

脇道にそれてみても、飲食店などが立ち並び、なかなかに賑やかだ。

そんなこんなしながら、私はオリオン通りを終点まで歩き切った。

向かいにはオリオンに対するかのように、ユニオン通りという商店街も見える。

そろそろ丁度いいかな、そんな思いで県庁近辺で目をつけていた餃子専門店(「その二」参照)まで戻る。

と書くとたった1行で済んでしまうけれども、実はそれなりに歩いている(笑)

私は愕然とした。

というか当然だった。

店の前には既に行列ができ、何人もの人が開店を今か今かと待っていた。

そうだよ、日曜なんだよ・・・。

田舎でも人気店というものは存在するし、昼飯時まして土日であれば混むのは必須。

だから平日で少しずらして入る、なんてことも普段しているので、「並ぶ」という行動に耐性が無い。

まして、1人だと余計に並ぶのが億劫になる。

皆、2人以上で並んでる雰囲気だし・・・。

がっかりした私は歩き廻った疲労感を連れながら、飯処を探してまた歩き廻る。

1度行った道を行ったり来たり・・・。

せっかく来てるので、どこでも入れるようなチェーン店にだけは甘んじたくない・・・。

そんな拘りも、こういう遠征時には時にマイナスに働きがち。

こんなんではダメだ、と目の前のあり付けるエサを逃してしまうからだ。

私は迷走した。

けれども歩き回る途中で、いい味出してる中華食堂みたいなところが裏路地にあったな、と思いだし、うっすらとした記憶を頼りに向かってみる。

ここでも記憶違いから行ったり来たりを繰り返した。

そして見つけた。

ラーメン屋を連想させる赤いのぼり旗に看板、レトロ食堂の定番パーツである食品サンプル。

餓狼伝説のギース・ハワードじゃないけど、「Come on!!」とばかりに開け放たれているドアを迷わず通過すると、左手にカウンター、右手から奥にかけてテーブル席という、縦に奥行きのある空間が現出した。

店内では従業員のおばちゃんたちが、忙しく動き回っている。

それでも昼時は少し過ぎていたので、幾分空いてはいた。

着席しようと進むと、レジの向こうからおばちゃんに呼び止められた。

「注文をお願いします」

よく見ると、レジの上方だったろうか、メニューがびっしりと貼り付けられてあった。

少しメニューを物色し、私は塩ラーメンと餃子を注文した。

餃子は言わずもがな、餃子の町へ来たらまずは食べてみたい、というのと、餃子町では専門店でなくともスペックが高いのではないかと期待したため。

塩ラーメンを選んだ理由は、濃厚系ラーメンに飽き飽きしているのと、店の力量を堪能できるから。

何故かと言うと、あっさり味の塩ラーメンは誤魔化しがきかない。

それをメニューに出してくるというだけで、その店にそれなりの自信が伺えるわけだ。

反対に入った店が、失敗したな、と思ったら迷わず味噌ラーメンを頼めばいい。

何故なら、味噌という調味料自体が凄く完成されたものなんで、どんな店でも基本外れがない。

腹が減っているのなら半ライスでコンボにして、ラーメンには味噌汁的役割も期待できる。

最も健康面から言えば、炭水化物の重ね食い、スープを飲み過ぎると塩分の過剰摂取、なんてオマケもついてくるけど(笑)

で話を戻す。

その場で「〇〇〇円になります」と色の付いた札を渡された。

なるほど前払い制なのか。

しかも食券使わないタイプの。

色付きの札はよくロッカーの鍵とかについている、プラスチック製の楕円形のやつで、よく見るとメニュー名も番号も何も書いていない。

色が違っているだけだ。

メニュー到着と引き換えに回収するシステムなんだろうけど、何も表記がないこんな札だけで判別がつくのだろうか、と若干いらぬ心配もしてみた。

しばらくTVを見ながら待っていると、注文したメニューは滞りなく来た。

さずがは熟練の従業員さん。

滞りなく札を回収していく。

これもちょっとしたことだけど、そこら辺の若いニーチャンがアルバイトで入って、パッとできることではないだろうなと。

ラーメンに向けて箸を伸ばそうとすると意表を突かれた。

正統派の塩ラーメンが来るとばかり思っていたからだ。

もやしに海藻(だったかな?)等々がのり、塩ラーメンとしてはトッピングが満載の少し変り種。

とは言え、味はフツーに旨い。

やっぱラーメンはあっさりに限る。

餃子はどうか?

口に含んだ瞬間、野菜の味が一気に広がった。

野菜餃子だった。

これもシンプルだがなかなか旨い。

ゆっくりと空腹を満たしながら、昼下がりの宇都宮の時間をウツノミヤンに混ざって堪能する。

その町の大衆食堂で食べるという行為には、そんな醍醐味もあるもの。

高級フレンチや割烹、専門店でばかり食っていれば一生分からない、いろんな意味での"味"がそこにはあるんだ。

このお店でのお昼のおかげで、私のライフゲージは7割くらいまで回復した。

疲労感が幾分とれた私は、JR駅へのなかなかの距離をまた歩いて戻るのだった。

続く

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